降り注ぐ陽光、青く広がる空。
そんな日は自然とシャッターを切りたくなってスニーカーの紐を結び直すこともそれほど億劫には感じられない。
それと比べて薄くグレーがかった空、湿った空気。
重い金属みたいなブルーが被さった時には、足取りだけではなくシャッターを押す指にも力が入らない。それが今までの僕だ。
ところがどうだろう。
「光」を探すことだけに躍起になっていた頃と比べて「影」を求めるようになってからは影の間から顔を覗かせた灰色の空が、とても輝く光に感じられるのだ。
重たい気分の時は影を探しに行こう。
その間から見えるものはきっと晴れ間の空よりも輝いて見えるから。